膠原病とは?

「膠原病」は一つの病気ではなく、 全身性炎症性の免疫異常による疾患の総称です。「膠原病」は共通して全身の結合組織に異常が生じます。
結合組織とは、細胞と細胞、組織と組織をのり付けしている成分で全身くまなく存在し、これには膠原線維・線維芽細胞・基質といったものが含まれています。(膠原線維を“ コラーゲン” と呼びかえれば分かりやすいかもしれません。)
結合組織は以前はこの膠原線維と考えられていたため、「膠原病」という名前が用いられたのです。
「膠原病」に含まれる病気は独立していて、各々特徴はありますが、図のように共通性もみられます。

◎リウマチ性疾患…症状として、発熱、倦怠感、こわばり、関節痛、筋肉痛などがみられます。骨・関節や筋肉に痛みがある場合には、膠原病はリウマチ性疾患の一部を占めることになります。
◎結合組織疾患…全身の結合組織が侵され多数の臓器が障害されます。結合組織が侵される病気は膠原病以外にも多くあり膠原病はその一部を占めます。
◎自己免疫疾患…免疫はもともと外敵から守るための身体の仕組みですが、膠原病では自分の身体の成分を外敵と間違えて免疫反応が起こる自己免疫現象がみられます。

「膠原病」は炎症性の免疫異常による疾患ですので、治療としてはステロイド療法を中心に、消炎鎮痛薬や免疫抑制薬が用いられます。
「膠原病」は医療の進歩とともに、多くの場合は生死に関わる病気ではなくなってきています。よって病気を持ちながらも、より良い生活を目指すことが重要になっています。そのため、膠原病患者が暮らしやすい社会の実現を求める患者会の役割が更に大きくなっています。

(参考:40 周年記念誌 膠原病ハンドブック)